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【卒業式】校長式辞

2023-03-01校長先生から

 日射しに柔らかな春の気配が 感じられる季節になりました。本日、この佳き日にPTA会長島崎圭介様のご臨席を賜り、北海高等学校 第75回卒業式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましても大きな慶びであります。
 ただいま卒業証書を授与した第75期生353名の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。
 さて、皆さんは、高校三年間をコロナ禍で過ごされました。振り返ると、入学直後から休校となり、ようやく授業
が始められたのは六月一日からでした。その後2年間は、北海祭、体育祭などの学校行事は、年によって大きく形を変え、やむなく中止の判断をしなければならないものもありました。皆さんがイメージしていた北海高校の生活とはあまりにも懸け離れ、不安や焦り、また、やり場のない葛藤を抱えることもあったことでしょう。
 それでも皆さんは、北海高校がどんな学校であるか、多様な個性や能力を持った先輩・先生との出会いの中で、多くの時間をかけずとも理解ができたのではないかと思っています。そして、北海高校という環境に身を置く以上、皆さんは、その環境を活かし、何を自分の中に取り込んでいくべきか、目的と手段を確立させて、本当によく努力をしてくれたと思っています。
 それは3年前、私が入学式で「本校の建学以来の基本精神である「質実剛健・百折不撓」の意味を、まずは早く理解し、自ら掲げた目標の実現には、ひたむきに努力するとともに、「自治の精神」を重んじて仲間と共に積極的に学校づくりに励んでもらいたい。」そう伝えたことを、皆さんは誠実にそれを実践してくれたことに他なりません。皆さんにも、本校の生活の中で、新たな自分の発見や、自己肯定感を高められたという場面が幾つもあったのではないかと思っています。
 北海高校で学ぶ魅力の一つに、勉強と部活動との両立が挙げられます。皆さんの在学中にも、多くの運動部・文化部が北海高校の校名を全道・全国に知らしめてくれました。今年度、徳島県で行われたインターハイでは、陸上競技部が、全国ベスト8以上という目標を掲げ見事に達成されました。そして、サッカー部は全国高校サッカー選手権大会に2年連続の出場を果たしましたが、皆さんとの思い出は、その全道大会の準決勝・決勝で行った全校応援です。選手らが最後まで諦めない。北海生らしく戦う姿に私たちは感動し、心を一つにして応援することで全国出場への後押しをすることができました。
 また、女子バレーボール部は、全日本選手権大会、いわゆる春高バレーに3年生が出場するなか、全道大会に駒を進められたことも嬉しい出来事となりました。これは、女子バレーボール部にとって創部以来はじめての全道大会進出であり、部の歴史に残るものになりました。更に嬉しく思ったことは、この大会の報告が、放送による全校集会で伝えられた時に、各教室から盛大な拍手がおこり校内中に響き渡ったことです。
 これらの行動から感じることは、皆さんは、普段から仲間の努力を認め、たとえどのような結果であっても、互いを讃えあうことのできる「高い人間力」を持っているということです。それは、勉強や課外活動など目指すものが違っても、一人ひとりが目標を大切にして努力を重ねてきているからこそ得られたものであり、この人間力は、今後の厳しい社会を生き抜く上で、益々必要とされる基礎的な力です。
 人間的に成長をしてくれた第75期生には、自信を持って、次のステージに向かっていって欲しいと思いますが、今日、私たちを取り巻く社会は、パンデミックの他にも、少子高齢化、高度情報化、グローバル化が予想以上の勢いで変化し、また、多様な価値観が広がるなか、国内外において解決しなければならない課題が山積しています。中には戦争や紛争に対する不安や恐怖に対して、平和というものが普遍的なものとして存在させていかなければならないという大変難しい問題も含んでいます。
 それを解決するための糸口はまだありませんが、決して眼をそらしてはならないことです。今できることには、まだ限りがありますが、できること、やるべきことには精一杯努力をして、確実に基礎を固める必要があります。そして、改めて学び続けることの意義を理解し、知識量を増やして、物の見方、考え方の中でその知識を活用していくことに挑戦していって欲しいと願います。
 自分の学びや行動が、周囲や社会、そして世界にとって、どの様に役立つものになるかということを、新たな創造力と自由な発想で考え続けていって下さい。
 最後に 近い将来、実社会に羽ばたいていく皆さんに、言葉を贈ります。
 「人生の大きな目的は、知識ではなく行動にある」
 「経験とは、自分に起こったことではなく、起こったことに何を行ったかである」
 「人生において大事なのは 学ぶことではない。学んだことをどう自分の人生に活かすかである」
 これらは、19世紀のイギリスの生物学者 トマス・ヘンリー・ハクスリーの言葉です。端的に言うと、「知識は活かされてこそ意味がある」ということですが、人生を生きるのであれば、得た知識を持って行動することが重要であり、行動してこそ、初めて「自分の人生を生きた」といえるようになるのだろうと感じます。
 「人生の本舞台は、常に将来にあります。」これからどう生きるのか、自分をどう活かすのか。大きな命題ではありますが、北海高校で学び得た建学の精神と経験を、皆さんの人生の確かな土台としていってください。私たち教職員は、いつまでも皆さんを支援し続けてまいります。
 結びとなりましたが、保護者の皆様に一言申し上げます。改めてお子様のご卒業おめでとうございます。お子様の成長を願って支えていただいた皆様には、さぞかしご苦労も多かったと存じます。また、コロナ禍における教育活動では、多くのご迷惑、ご心配をおかけしてしまいました。
 にもかかわらず、この三年間、北海高校の教育活動にご理解とご協力を賜りましたことに心より感謝を申し上げます。卒業生の皆さん、そしてご家族の皆様のご健康と益々のご発展を祈念して、以上式辞といたします。

                          令和五年 三月一日   北海高等学校長 秋山秀司

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