【講話】夏休み明けの全校集会 校長講話
2025-08-22校長先生から
今日また皆さんの元気な顔が見られてとても嬉しく思っています。暑かった夏休みが終わり、今日からまた学校生活が再開しますが、前期末の区切りがあと一か月というところです。定期試験もありますのでしっかり、丁寧に過ごしていきましょう。
まず、この夏は多くの部活動が全国の舞台に立ちました。インターハイや総文祭などに出場した仲間たちは、北海生らしく堂々と挑み、その姿勢が校名を高めてくれました。中には全国大会上位に入賞した部もありました。
野球部は全国最多41回目となる夏の甲子園に出場して、私も現地で応援しましたが、選手たちが最後まで諦めない姿に、スタンドから何度も大きな拍手が起こりました。「逆転できる」と信じて戦い抜く選手の姿は、多くの人の胸を打つものであったと思っています。
また、休み中は皆さん一人ひとりも努力されたことでしょう。学校として取り組んだ「10時間耐久学習会」をはじめ、皆さんそれぞれが計画的に学習に取り組み、一定の達成感を得られた人も多いと思っています。こうした努力は続けてこそ力となり、高い目標へとつながっていきます。仲間と共にあらゆる面において切磋琢磨したこの夏の経験は、ぜひ今後に生かして下さい。
さて、話題を変えます。今年は大阪で万博が開かれています。私は直接会場を訪れたわけではありませんが、街全体が盛り上がっている様子から、万博の持つ大きな力を改めて感じました。
万博は「100年先の未来を見越して開かれる」とも言われます。過去の万博で紹介された技術の多くが、いま私たちの生活を支えています。今回の大阪・関西万博で展示されている技術も、皆さんの未来では当たり前になっているかもしれません。
例えば、今回展示されているものには、3Dプリンターでつくるバイオ肉があります。栄養や味を自分好みに調整して、自宅で数時間のうちに作れるというものです。さらに、iPS細胞を使って拍動する心臓を培養する研究も展示されています。自分の細胞から臓器をつくれるようになれば、医療の世界は大きく変わるでしょう。
このように、知れば知るほどワクワクする未来ですが、忘れてはいけないと思うことがあります。それは「未来を誰かに決めてもらうのではなく、自分たちで形づくる」という意識です。
私は皆さん一人ひとりにも、新しい技術や社会をつくる力があると信じています。なので、意欲をもってそれらに挑戦していって欲しいと思います。
新しいものを生み出す「創造力」と、人の思いに寄り添う「想像力」。この二つを磨くことが、未来を切り開く力になります。普段の学びの中でも、ぜひこの2つの「そうぞう」を意識してください。
今年は戦後80年の節目でもありました。人類は優れた技術を生み出してきましたが、その使い方を誤った歴史もあります。だからこそ、思いやりや助け合い、平和を大切にする心と結びついてこそ、技術は人を幸せにします。北海高校での生活の中には、人間力を高め、そうした心を育んでいることを私は誇りに思っています。
皆さんの未来は、これから100年先までつながっていくものですが、その基盤となるのは、今この時の学びです。「自分はどんな未来をつくりたいのか」を考え、皆さんの中からも世界の課題解決に挑む人が数多く育っていくことを切に願っています。未来の自分を少し想像しながら、ワクワクした気持ちと共に、また新たな一歩を踏み出していきましょう。