【入学式】校長式辞
2025-04-09校長先生から
柔らかな陽射しに春を感じ、待ちに待った喜びの季節となりました。本日、学校法人北海学園理事長である安酸敏眞先生をはじめとする学園関係者、更には校友会、PTAなど、本校の教育を支えてくださっている皆様のご臨席を賜り、また、多くの保護者の皆様が見守る中、北海高等学校令和七年度の入学式を挙行できますことを大変嬉しく思います。
改めて、385名の新入生の皆さん、北海高校へのご入学おめでとうございます。教職員一同、心より皆さんを歓迎いたします。
北海高校は、1885年(明治18年)に創立した北海英語学校を起源として、今年で140周年を迎えます。4万2千人を超える卒業生は、本校で学んだことを人生の土台として、卒業生であることを誇りに、道内外、また、海外においても広く活躍されています。
本校は、創立以来、人間教育をベースに、社会で活きる基礎学力と文武両道の精神を大切にしてきました。それを体現しているのは、正に生徒です。北海生は、それぞれの個性を認め合い、励まし合いながら切磋琢磨するという伝統を身に着け、ひたむきに物事に取り組むことのできる姿勢と明朗で、さわやかな校風を生みだしています。
今日からは、新入生の皆さんにも、この北海高校をかけがえのない青春の舞台として、自分に磨きをかけ、輝かせて、自立した若者として成長されることを、心から願っております。
さて、皆さんは、創立140 周年という、記念すべき年に入学されました。これからの3年間を、単なる巡り合わせと、受け止めるだけにするのか、それとも、やる気に満ちたものにしようと、決意して臨むかで、皆さんの高校生活の充実度は随分と違うものになるはずです。また、皆さんがここにいるのは、決して偶然ではありません。皆さんが、本校に入学されたのは、自分の意志で北海高校を選び、人生において、高校受験という一つの大きなハードルを乗り越えられた、その成果です。この経験は、今後も大切にしてください。そして、新たな気持ちで目線を高くして、本校の教育環境を活かしながら、勉強、課外活動に積極的に励んでもらいたいと思います。
高校生活は、人生の中でも大きく成長できる時期です。そこで、いくつか大切なことについてお話をいたします。
その一つ目は、「確かな人間力を身につけること」です。人間力とは、「自分を律する力」「学んだことを活用できる力」そして、「社会に貢献しようと意識できる力」と思って下さい。
今日、情報が溢れる時代において、確かな倫理観と信念を持つことが大変重要です。人間力が高い人は、普段から信頼を集め、強い信念に共感されて応援される存在になることができます。
二つ目は、「挑戦し続ける気持ちを絶やさないこと」です。実際のところ人生は、計画通りにいかないことの方が多いといってよいでしょう。しかし、失敗を恐れて挑戦しないのではなく、普段から小さなことにでも目標を立てることを意識して、丁寧に取り組む。それを習慣づけることが大切です。人は、挑戦する中でこそ成長し、自己理解が深まる中で本当に「なりたい自分」を発見することができます。
三つ目は、「生涯の友を得ること」です。良き友とは、喜びや苦悩も共にし、互いに成長し合える存在です。友情を築くためには、社会的な常識を守り、相手を思いやる心を持つことが大切です。
本校には、日常の学校生活はもとより、課外活動を通じても、絆を深めることのできる機会が数多くあります。あらゆる機会を利用して、互いに尊重し合う心を育み、真の友人を得られるよう努めてください。
そして、最後に、私学である北海高校には、建学以来の基本精神があります。皆さんから見て左手に、その書が掲げられています。「質実剛健」「百折不撓」と読みます。「質実剛健」は、うわべを飾ることがなく誠実であり、心身ともに強くたくましいという意味です。このことは、信頼される人間であるための基礎となるものであり、自分らしく生きるために不可欠なものです。
また「百折不撓」は、何度失敗してもくじけないという意味です。北海生が誇りとしているのは、失敗しないことではありません。例え失敗したとしても、決して挫けないことにあります。皆さんには、一日も早く、この言葉が持つ意味を理解し、心に根付かせて欲しいと願います。
結びになりますが、保護者の皆様には、お子様の教育を本校に託していただき、心よりお礼を申し上げます。教職員一同、ご期待にそえるよう力を尽くして、日々の教育に取り組んでまいります。
本日、新たなスタートラインに立った新入生の皆さんが、力強い一歩を踏み出すとともに、本校での三年間が、人生の確かな土台となることを心から祈念して、以上式辞といたします。
令和7年4月9日 北海高等学校長 秋山 秀司