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【講話】冬休み前の全校集会 校長講話

2023-12-25校長先生から

 みなさんこんにちは。一週間ぶりの全校集会です。3年生の登校日数も、もう数えるほどになりましたが、進路が定まってきている3年生には、継続して学習に取り組んでもらいたいと思います。また、今年、来年は成人年齢を迎える年でもあります。大人としての自覚と北海生としての品格を保ち責任ある言動をお願いします。3年生全員で卒業まで頑張れることは、これから一般受験に向かおうとしている仲間へのエールにもなります。北海生のモットー「諦めない気持ち」を、高校生活最後の日まで、3学年が一つのチームとして貫いて欲しいと願っています。
 さて、一週間前の集会では「学習力」を養う一つの試みについて話をしました。改めていうと「学習力」とは、どんなことからでも学べる力です。皆さんには、身近なものにも観察力を持って欲しいことを伝えましたが、まずは自分自身を観察することが重要であることを感じてくれたでしょうか。ポイントは

現状を疑ってみること

です。勉強や部活動、どのようなものに対しても、何も考えず同じことだけ、言われたことだけを繰り返していては、これまでと同じ枠の中だけの考えを基にした努力にしかなりません。これではちゃんと自律しているとはいえない。このような話でした。
 今日は、皆さんの思考の枠を、自らの力で少しでも拡げていって欲しい。そんな気持ちで話をしたいと思っています。
 皆さんは、心理学者アルフレッド・アドラーを知っているでしょうか。本屋に行くと「アドラー心理学」といって、自己啓発書のコーナーには数多くの本が並んでいます。
 アドラーはいいます。「未来は過去に起きたことの積み重ねである」と。現在といっても時間が過ぎれば過去になりますから、未来というものは概念でしかないというのです。これを前提に、明るい未来を現実のものにしたいと考えるならば、迷うことなく今やることに全力を尽くすしかありません。これは誰もがそう思っていることでしょう。しかし、この当たり前が実は難しいと感じている人は少なくありません。
 私達は何か課題を解決しようとするとき、「今の状況には必ず原因がある」という考え方をします。例えば、「勉強で成績が上げられないのは、どこかでつまずいているから」という考え方です。もちろん振り返りで原因を見つけ、それに対処することは正しい考えです。
 これに対しアドラーは、「目的があって、今の状況がある」といいいます。言い換えれば、「結果には何かの目的がある」ということです。例えば、「自分は将来、海外で仕事がしたいと思っている。」こういった希望が目的となって、「勉強の必要性を感じ、やってみたら成績が上がった。」このようなケースです。
 アドラーは、「自分の決意があれば未来は変えられる」と主張します。
 ただし、ここで私が思うに、この決意には、「偽りのない自分の本当の気持ち」、「人に伝わるくらいの本気度」が必要だと感じています。このことから、私は皆さんに、必ずしも過去や原因に捉われ過ぎず「自分はこうしたい、こうなりたい」という純粋な気持ちを、もっと大きくしっかりと持ってもらいたいと思っています。この希望をより強いものにしようとすることが、アドラーのいう決意となり、それが目的になるのだと思います。
 アドラーは、目的を持つことに関わって、人生や学問についても触れています。「人生には、社会に貢献しようと努力すること。他者に対して関心を持つこと。これが大切であって、そのために学問がある」と。
 将来、自分が社会にどのように貢献できる人間になれるか、すぐに判らなくとも、いつかそれに気づいて動き始められるために、今の皆さんには、様々なものを意欲的に吸収してもらいたいと思いますし、努力して得ようとする知識も単に暗記による断片的なものでなく、知識と知識が体系的につながり活用することのできる知識の修得であって欲しいと願います。
 いよいよ明日から冬休みです。夏に比べ期間は短いですが、次年度に向けての助走期間にもなります。学年末までの目標を持つとともに、これだけはやり切ったと実感の持てる冬休みにして下さい。
 最後に、もう一度3年生諸君、皆さんはここまで目的を持って頑張ってきました。そのためにも、まずはいま目指している目標を必ず達成して欲しいと思っています。そこに向かうための力が発揮できるよう、ここまで重ねてきた努力に自信をもって下さい。くれぐれも体調管理には気をつけて、最後まで諦めない受験であって欲しいと心から願い今日の話を終わります。

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